作品名
Elements of light -それぞれの光- × 曽我部恵一(DJ)
アーティスト
おおば英ゆき中村ハルコ村越としや
曽我部恵一
企画協力
フォルマーレ・ラ・ルーチェ
展示場所
「ロックの図書館」準備室 併設カフェ(店名未定)
作品紹介
写真家 おおば英ゆき、村越としや、中村ハルコの三作品と曽我部恵一のDJコラボレーション。
おおば英ゆきはチョコレート彫刻とも言えるような10年越しの写真作品「チョコレート・ドリームス」を、福島県須賀川出身の村越としやは故郷を題材に制作した「火の粉は風に舞い上がる」、そして中村ハルコは、小さなロッジの美術館で展示中の作品「太陽と風のワトト」を上映する。静と動の写真作品に曽我部はどのようなDJアレンジを試みるのか?ユニークなサウンドライブに乞うご期待。

おおば英ゆき
「ぼくは誰なんだろう。ぼくは何をみているんだろう。ぼくは今どこにいるんだろう。
チョコレートが溶けている。チョコレートが流れている。チョコレートが溢れている。」
世界はチョコレートに覆われることで、本当の姿を現す。チョコレート・ドリームスとは今のこの世界の風景そのものであるとぼくは思うのだ。
「チョコレート・ドリームス」
おおば英ゆき

中村 ハルコ
アフリカ・タンザニアで出会った少年、ラジャブ。そこから写真家、中村ハルコの新たなストーリーが始まります。質素な暮らし、厳しい現実とは裏腹に、大地を風のように駆け抜け、日常をたくましく生きるワトト(子供たち)が存在していたのです。みずみずしい視点を持って、子供たちの姿を写真に収めた中村ハルコ。今回は、彼女の1980年代に撮影された貴重な初期作品をご紹介します。
「太陽と風のワトト」
中村 ハルコ

村越 としや
夕暮れが迫る群青の空に優しい線を描く火の粉はまるで赤い蛍だった、そして強い風が吹き抜ける瞬間にだけ炎は少し音を発て、たくさんの赤い粒を辺りに撒き散らした。赤い光の粒は群青から藍へと変わる空に次々と吸い込まれるように消えた、それらを眼で追いながら光はどこへ行ってしまうのかを考えていた。空は更に深く濃く沈んでゆき、そこから徐々に浮かび上がる小さな灯りにじっと眼を凝らした。風に飛ばされ、舞い上がり、消えてゆく、そんな火の粉を繰り返し見ているうちに日は完全に沈み、肌に寒さを感じた、そしてぼくはとても大切なものを無くしたときに覚えた寂しさと似た感情にようやく気が付いた。暗い田んぼ道に火の気はもう無い、吹く風は冷たさを増し、色の消えた空にはいくつかの星が見えた。
「火の粉は風に舞い上がる」
村越 としや